全省庁統一資格の取り方:清掃・警備・IT事業者が国の入札に参加する手順
入札の基礎知識 2026/10/22
国(中央省庁とその出先機関)の入札に参加するには、まず全省庁統一資格を取る必要があります。清掃、施設警備、システム開発、Webサイト制作などは、この資格の中の「役務の提供等」という区分に当たります。
この記事では、申請の流れ、必要書類、費用、そして入札できる案件の規模を左右する「等級(A〜D)」の決まり方をまとめます。
全省庁統一資格とは
- 国の各省庁が共通で使う、物品・役務の入札参加資格です。一度取れば、どの省庁の入札にも同じ資格で参加できます。
- 区分は「物品の製造」「物品の販売」「役務の提供等」「物品の買受け」の4つ。清掃・警備・IT・Web制作は「役務の提供等」です。
- 申請時に、参加したい地域(北海道、東北、関東・甲信越、東海・北陸、近畿、中国、四国、九州・沖縄)を選びます。
- 都道府県や市区町村の入札には使えません。自治体の入札は、自治体ごとに別の参加資格の申請が必要です。
有効期間:今の資格は2028年3月末まで
資格は3年度ごとに更新されます。現在は「令和7・8・9年度」の資格で、有効期間は2025年4月1日〜2028年3月31日です。
3年に一度の一斉受付(定期審査)はすでに終わっていますが、期間中はいつでも申請できる随時審査があります。今から申請した場合も、資格は2028年3月31日まで有効です。
費用:申請手数料はかからない
申請そのものは無料です。かかるのは、証明書類の発行手数料と、行政書士に依頼する場合の報酬くらいです。
申請の方法
- 調達ポータル(政府電子調達システム)の「統一資格審査申請」から、インターネットで申請します。電子証明書がなくても申請できる方法が用意されています。
- 紙で申請する方法もあり、各省庁の窓口に郵送または持参します。
- 審査が終わると、資格の内容(区分・等級・地域)が通知されます。入札の際は、この資格の情報を使います。
主な必要書類
- 登記事項証明書(履歴事項全部証明書):法人の場合。発行から3か月以内
- 納税証明書:法人は「その3の3」、個人事業主は「その3」。発行から3か月以内
- 財務諸表:直前2年分
- 営業経歴書
求められる書類は申請方法や事業者の形態で変わることがあります。申請前に、調達ポータルの案内で最新の内容を確かめてください。
等級(A〜D)の決まり方
等級は、4つの項目の点数の合計(100点満点)で決まります。「役務の提供等」の場合は次のとおりです。
| ① 年間平均売上高(直前2年の平均) | 200億円以上 65点 / 100億円以上 60点 / 50億円以上 55点 / 25億円以上 50点 / 10億円以上 45点 / 5億円以上 40点 / 2.5億円以上 35点 / 1億円以上 30点 / 5,000万円以上 25点 / 2,500万円以上 20点 / 2,500万円未満 15点 |
|---|---|
| ② 自己資本額(純資産の合計) | 10億円以上 15点 / 1億円以上 12点 / 1,000万円以上 9点 / 100万円以上 6点 / 100万円未満 3点 |
| ③ 流動比率(流動資産÷流動負債) | 140%以上 10点 / 120%以上 8点 / 100%以上 6点 / 100%未満 4点 |
| ④ 営業年数 | 20年以上 10点 / 10年以上 8点 / 10年未満 6点 |
合計点と等級、等級ごとに参加できる案件の予定価格の目安は次のとおりです。
| A:90点以上 | 予定価格 3,000万円以上 |
|---|---|
| B:80点以上90点未満 | 1,500万円以上3,000万円未満 |
| C:55点以上80点未満 | 300万円以上1,500万円未満 |
| D:55点未満 | 300万円未満 |
たとえば、年間平均売上高8,000万円(25点)、自己資本2,000万円(9点)、流動比率130%(8点)、営業12年(8点)の会社は合計50点で、D等級になります。中小の清掃会社や警備会社は、C・D等級になることが多いと考えられます。
実際の入札公告では「C又はD等級に格付けされている者」のように、参加できる等級が案件ごとに指定されます。等級が合わない案件には参加できないので、案件を探すときは、等級の条件を最初に確かめるのが効率的です。
資格を取ったあとに大事なこと
資格を取っても、自社の等級・地域・業種に合う案件を毎日探し続けるのは手間がかかります。公告ごとに等級の指定、地域の条件、必要な許可や登録が違うためです。
入札目利きは、官公庁・自治体の入札公告をAIが毎朝読み、等級や地域、必要な資格の条件から「参加できる案件」だけをメールでお届けするサービスです。